夏の風物詩として毎年好評をいただいている、如水庵のぶどう大福。
甘さと酸味のバランスがよく、果汁たっぷりの「ニューピオーネ」は、やわらかな餅や白餡と相性抜群です。
そんなぶどう大福のこだわりをご紹介。
■「ニューピオーネ」づくり
ぶどう収穫の最盛期は、7月から8月中旬にかけてですが、「ニューピオーネ」づくりは前年の秋からはじまり、1年近く手をかけつづけなければ実りません。
ぶどうは「一日一節」といわれるほど生育が早いため、枝の固定時期には、作業を手早く行わないと、あっという間に枝が上へ上へと伸びてしまうのだとか。
また、農薬や除草剤の使用を規定の回数以下に抑えるためには、袋掛けを徹底させるなど、手間を惜しみません。
■大福のいのちは、甘味と酸味のバランス。
ぶどう大福に使う「ニューピオーネ」は、甘味だけではなく酸味がなければ、餅や白餡との相性がよくありません。
瀬戸内市の「ニューピオーネ」は、糖度が20度前後と高いのが特長ですが、出始めから最盛期は酸味とのバランスが絶妙。秋口になってくると、甘味が強くなってきます。
「ニューピオーネ」は温度変化に敏感なため、収穫は気温の低い明け方に行われ、味のバランスが変わらないように、常温で輸送されます。
■丁寧に一つ一つ、真心をこめて大福に
私たちは、ぶどう大福の商品企画段階で福岡・日田・岡山と、3カ所の生産地の「ニューピオーネ」で試作しました。結果的に、味のバランス、粒揃いのよさ、生産量の安定性の面から、岡山の「ニューピオーネ」が選ばれたのです。
手間ひまをかけて丁寧に育てられ、岡山から如水庵のもとに届けられる「ニューピオーネ」。
職人が1粒1粒やさしく房からはずし、グラム数や大きさ、傷や虫食いなどを確認します。その数、およそ1日4 0 0 0 個〜5 0 0 0 個。
翌日朝6時から如水庵の工場では、「餅練り」がはじまります。筑紫野の「ヒヨク米」と北陸の「こがねもち」等をブレンドして、白くふんわりとさせるために卵白を入れ、伝統的な和菓子の製法「蒸練」(蒸気で練り上げる)で、やわらかく滑らかに仕上げます。
熟練した職人の手と目によって均一な粘りを持たせた餅が完成。生産者の 方々の想いのつまった「ニューピオーネ」を、如水庵の技が心を込めてつつんでいきます。
収穫から3日後、晴れてぶどう大福は店舗に並べられ、お客様のもとへ届きます。
さまざまな工程に関わる全ての人が細心の注意と努力を重ねることで、初めてぶどう大福は完成します。
如水庵のぶどう大福には、私たちだけでなく、生産農家様・問屋様など数えきれない人の想いがぎゅっと包まれています。毎日感謝を忘れずに、一つひとつ大切に、お客様へお届けいたします。