筑紫もちの「餅」の秘密

筑紫もちの「餅」の秘密

如水庵の一番人気のお菓子「筑紫もち」。

今回は筑紫もちに使われている「餅」の製造現場を覗いてみました。

 

■丁寧に煉り上げ生まれる食感

やわらかさの中にも、はね返すような歯切れのよいコシ。

この筑紫もちの食感を生み出すのが「餅煉り」です。

餅煉りには、大きくわけて2つの工程があります。まずは「蒸煉(じょうれん)」。

蒸煉機で、餅粉(ヒヨク米)に蒸気(熱)を入れながらおよそ30分間じっくりと蒸します。そうすることで、やわらかくムラのない均一な食感に仕上がります。

蒸煉された餅

次に「煉り」。

専用の釜に移し、砂糖などの材料を加えてさらに約75分かけて煉り上げます。

この頃にはつやつやと輝くほどなめらかな質感に。

通常、餅は冷めると硬くなるものですが、筑紫もちは、独自の配合と製法により冷めてもやわらかい食感を実現しています。

つややかでなめらかな餅へ

 

■黄な粉と溶け合う究極の餅を求めて

筑紫もちにふさわしい餅に煉りあげるのが、餅煉り職人の使命です。

現在、餅煉りができるのは7名のみ。

季節や気温によっても大きく変化する煉り釜温度の徹底管理・絶妙な火加減。餅の粘りや色で仕上がりを正解に見極められるのも、長年の経験により培われた「職人技」です。

餅煉りの作業場は、蒸す・煉るの工程ゆえ、夏場の室温は40℃以上に達します。過酷な環境と重労働の中でも、決して妥協することなく、職人としての誇りをもって品質を守り伝え、日々つくり続けています。

その職人たちの存在が、筑紫もちのおいしさを支えています。

煉りあがった餅は、とろとろで、その色とつややかさは、思わず声をあげてしまうほどの美しさ。

そして一晩寝かせて、歯切れのよい食感が生まれるのをじっと待ちます。

翌日、餅は小さく切り分けられながら、金色の黄な粉をまとい、筑紫もちへと生まれ変わるのです。