いちご大福の「いちご」

いちご大福の「いちご」

如水庵の春を代表する、いちご大福。

その主役となるいちご選びに、私たちは試行錯誤を続けてきました。

いちごはその時期で一番味が良いもの、大福にして一番美味しいものを選んで使っています。

「白あんでつくったら、もっと美味しかよ」という森会長のお母様の一言から、如水庵のいちご大福づくりがはじまりました。

いちご本来の風味を引き立たせるため、黒餡ではなく当時では珍しい白餡でいちごを包みました。今や販売30年を超えるいちご大福ですが、美味しさの決め手となるいちごは、これまでに慎重に吟味してきました。

これまで、「さちのか」「さがほのか」「あすかルビー」「あまおう」など様々な品種で試作を繰り返しました。

いちごを生で食べた時と、大福として食べた時では、驚くほどいちごの印象がちがう。甘味が強いいちごは生で食べるとおいしく感じますが、大福にするといちごの主張が強すぎて白餡と調和しません。理想は「大福として食べるからおいしい」もの。

存在感がありながら、餅と白あんと調和するいちごとは?答えは、季節ごとのいちごの酸味にありました。

収穫前のさちのか

いちごは、大変痛みやすい果物です。大切に育てられたいちごが無事にいちご大福となるためには、収穫の仕方、温度管理、運搬など、あらゆることに気を遣わねばなりません。

最も重要なのは、温度管理。いちごは、収穫後も生きています。

いちごが如水庵に納入されるまで、選果場・市場など複数の場所を通過しますが、その間はいちごの熟成を抑えることが鉄則。冷やすことで実がしまり、過熟を避けられるのです。

検品・選別されるいちご
いちごを傷つけないように、一つひとつていねいにヘタを取ります。

そして、いちご大福と合わせる風味がよくなめらかな白あんはあんこ職人が心を込めて炊き、さらし、しぼり、煉りあげる自家製ならではの味。

自家製の白あん
柔らかく伸びがよいお餅

いちごを育て、選び、加工する。

その工程に関わる全ての人が細心の注意と努力を重ねることで、初めていちご大福は完成します。

如水庵のいちご大福には、私たちだけでなく、生産農家様・問屋様など数えきれない人の想いがぎゅっと包まれています。毎日感謝を忘れずに、一つひとつ大切に、お客様へお届けします。