市田柿は柿大福の風味を引き立てる極上の名脇役

市田柿は柿大福の風味を引き立てる極上の名脇役

山も谷も紅に染まる錦秋とともに、お客様が心待ちにしてくださる期間限定の大福「柿大福」。

美味しさの秘密は、柿餡にたっぷりと刻み込んだ市田柿。

深い甘味ともっちりした歯ざわりは、柿大福の風味を見事に引き立ててくれます。

そんな極上の市田柿を使った「柿大福」についてご紹介いたします。

そもそも市田柿とは?

500年以上前から伊那谷(現在の長野県下伊那郡)でつくられる渋柿の伝統的な品種名で、干し柿にしたものもの「市田柿」と呼ばれています。

干し柿として食べられ、朱色の果肉と美しい形、白い柿霜が象徴的です。

上品な甘さともっちりとした食感は高級和菓子さながら。贈答品として全国的に人気があります。

ビタミン・ミネラル・食物繊維など栄養素が豊富な点も注目されています。

伊那谷では健康長寿を願うお正月の風習「歯がため」で市田柿を食べ、種が多く入っていると子孫繁栄の吉兆とされるそうです。

干場。木造ゆえに調湿効果があり、清々しい風が通る。

そもそも古くから、奈良時代の文献に登場するほど、柿は日本人にとっての縁の深い果物です。

昔は、「甘味」そのものが「お菓子」と考えられ、甘味ある柿はお菓子の原点とも言えます。

如水庵では柿を使ったお菓子を是が非でも作りたいと、全国から数々の干し柿を取り寄せ、何度も試作を重ねた結果、「これだ!」と確信したのが信州で生産される「市田柿」でした。

長野県下伊那郡の柿畑
柿の天日干し

色が美しく、甘味が濃厚、肉質は緻密で、心地よい歯ごたえ。

この「市田柿」を刻み込んだ柿餡で大福を作ったところ、これ以上ないという自信作が出来ました。

完成当初は、「市田柿は、お菓子の材料としては売れません。」と仕入を断られてしまったのですが、柿大福を生産者の方にお届けしたところ、「うちの市田柿を見事なお菓子にしてくださった。」と感激して頂けたのです。

ものづくりの心、美味しさを探求する心が響きあった喜び。

如水庵の思いが遠く信州で柿づくりに励む皆さんに通じ、これまでにない柿大福が誕生しました。

こだわりの柿大福が味わえるのは、本年は10月上旬~12月下旬まで。

是非秋の味覚「柿」を楽しんで頂きたいです。