七夕菓「星結い」商品開発裏話

七夕菓「星結い」商品開発裏話

2023年6月26日に新発売される、七夕菓「星結い(ほしゆい)」。

このお菓子を生み出したのは、和菓子職人 後藤。バレンタイン菓子「和ティラミス」など、和×洋スイーツを生み出していますが 今回はどのような想いがあったのでしょうか。

■夏らしいお菓子を。

毎年、上生菓子を中心に七夕をイメージした上生菓子を発売していましたが、もっと夏らしい涼しいお菓子を。という想いから生まれた「星結い」。数年前までは笹飾りをモチーフに作った棹菓子を販売していましたが、数年前に廃版。数年ぶりの七夕のお菓子開発がスタートしました。

七夕上生菓子 願い事
笹飾り(現在は販売しておりません)

■星結いのこだわり

————開発する上で、1番のこだわりを教えてください。

後藤さん:「和菓子は五感の芸術」といわれますが、星結いで最も重視したのは、見た目(視覚)の美しさです。七夕と聞いて、最初に思い描いたものは、夜空に輝く天の川でした。深みのある夜空の表現に天然着色料を何種類も試し、天の川(金箔)の黄色とのバランスを考え、完成しました。

————苦労した点はありますか?

後藤さん:今まで使用していた人工着色料の青では、「夜空」ではなく「海」を表現したような色合いになりました。深みを出す為に多く添加してみましたが、暗くはならず色が濃くなるだけでイメージとは違い…。別の開発用に天然着色料のサンプルを頂いていたので、試したところ、深みのある夜空のイメージになりました。

天然着色料は、人工着色料より多く添加しなければ発色が悪かったり、熱や光で退色してしまったり、人工着色料のように、安定した発色、極少量の添加で良いわけではありません。また、天然物は素材となった物の香りがあったりと、組合せによってはお菓子の素材を邪魔したりもします。

どちらが良いというわけではなく、表現したいお菓子に合わせて使い分けが大切になってきます。

 

■こだわりの「食感」

後藤が特に重視した点は「食感」。

味わいや風味と並んで、お菓子を楽しむ上で重要な要素のひとつです。 星結いは羊羹を2層に分けることで、レモン感じる爽やかなゼリー食感の錦玉と、桃入りの葛羊羹、2つの違った食感を楽しむことができます。

後藤さん: 羊羹に葛を入れることで、水羊羹のような夏に食べやすい食感にしあげました。冷やすことで、より美味しく召し上がることが出来ます。

 

■一つとして同じものがない、一つひとつ職人手づくり。

星結いはひとつ一つ型に流しこみ、夜空を作っていました。(通常の羊羹は大きな型に流し込み、カットしています)星の羊羹の型抜きから天の川の金粉まで職人さんがひとつひとつバランスを見ながら作られていました。

後藤さん:羊羹の合せ物は、時間との勝負です。寒天の凝固温度は、40~50℃なので常温で固まります。完全に固まって錦玉を流すと、上と下がきれいに離れてしまいます。固まりかけの微妙な段階で流し、金箔と羊羹を並べ天の川を表現します。タイミングを合わせることが難しい作業です。

■和菓子職人 後藤より皆様へ

後藤さん:七夕のお菓子の菓銘は、世の中にたくさんあります。星が結ぶと書いて「星結い」。開発に携わる如水庵のメンバーで考えた造語です。私のデザインから、こんな素敵な菓銘をいただきました。織姫と彦星が出会えるように、お菓子もまた、人と人を繋ぐ架け橋です。これからも、たくさんのお客様に笑顔をお届けできるお菓子を作りたいと思います。

————後藤さんありがとうございました!

星結いはカジュアルなギフトから、フォーマルな箱ギフトまで幅広い贈り物のシーンにおすすめです。ぜひお楽しみくださいませ。

 

星結い

夜空に架かる天の川を渡って一年に一度だけ会うことが許される織姫と彦星の物語を表現しました。七夕限定の桃入り羊羹と錦玉の合せものでございます。

※「星結い」は、瑞々しい食感を追求した職人手づくりの創作菓子でございます。羊羹の水分が溢れ出し、箱に天然着色料が付着する場合がありますが、品質には問題ございません。冷やして召し上がりください。