和菓子の定番「羊羹(ようかん)」。
一般的には小豆を主体とした餡を型に流し込み、寒天で固めた和菓子です。最近では写真映えするものから、洋風な羊羹も販売され、個性ある羊羹を沢山目にします。
如水庵では、長年愛されている通年販売の「あず美」と、夏の期間のみ販売している「水羊羹」の2種類があります。
同じ小豆を使った羊羹ですが、食感も見た目も別物。今回は羊羹の種類について一部をご紹介。
■煉羊羹(ねりようかん)
煉り羊羹は、小豆・砂糖・寒天を煉りながら煮詰めて、型に流し固めたもの。
(羊羹の周りがカリッ・シャリとしている羊羹は、この煉り羊羹を時間を置いて乾燥させたもの。)
如水庵の煉り羊羹「あず美」はつぶ餡ですが、こし餡のものや抹茶餡、黒糖入など様々な種類があります。また、秋に販売している栗ようかんもこの煉り羊羹に栗を入れたものになります。
■水羊羹(みずようかん)
小豆・砂糖・寒天を煉り、型に流し固めたものですが、煮詰めず作ることで水分量が多くなり、滑らかな舌触りや「つるん」とした食感を味わうことができます。
夏の暑い時期でも、冷たく冷やして食べたりできるため夏の風物詩としても人気が高い和菓子です。
■蒸し羊羹(むしようかん)
小豆・砂糖に寒天で固めるのではなく、小麦粉や葛粉を加えて蒸し固める羊羹。
この羊羹に栗を入れた「栗蒸し羊羹」をよくみる印象です。羊羹部分は柔らかく、もちっとした食感を味わうことができます。
■羊羹との合せもの
如水庵では、羊羹とその他和菓子素材を合せたオリジナル商品も多数あります。
マスカルポーネチーズを使った羊羹と浮島を合せ、ティラミス風にした和菓子「和ティラミス」。錦玉羹(きんぎょくかん)や時雨(しぐれ)などと合わせた、季節の上生菓子「花筏(はないかだ)」など様々な羊羹のお菓子を作っております。
■和菓子職人 古賀 イチオシの羊羹
あず美について語りたいと思います。
作業手順を簡潔にすると、まず前日に豆に熱を入れて密漬けをする。翌日に蜜漬けされた豆を大釜に移して煮詰めていく。寒天、水を加えじっくりと煮詰めていく。煮詰めたらボールに移し型に流す。という手順になります。
文章にすると簡単そうに見えますが、実際に作るととても大変です。煮詰める際に豆汁が飛んで火傷をしたこともありますし、型に流す際は羊羹が重たいので腰が痛くなったこともありました。60歳で貧弱な私にはとても大変です(笑)。
その他にも、羊羹の表面がシャリすぎないように温度を確認する、均一に型に流す様にきちんと平行を取るなど、どれも簡単そうで難しいです。
このように作るのは難しいあず美ですが、私は羊羹の中で一番ウマいと思いますよ。
「羊羹」と言っても煮詰めなかったり、蒸したりすることでまた違った「食感」「味わい」の羊羹を楽しむことができます。
皆様も是非お好みの羊羹を見つけてくださいね。