皆さん誰もが1度は耳にしたことのある「3時のおやつ」。どうして3時がおやつの時間と呼ばれるようになったのでしょうか。
□3時のおやつの由来
古くから日本や中国で使われていた「十二時辰(じゅうにじしん)」という時間の単位があります。十二時辰は1日をおよそ2時間ずつに分ける方法で、時刻が分かるようそれぞれに十二支の呼び名がついています。十二時辰で午後2時から午後4時までの時間を子(ね)の刻から8つ目の刻で「八刻(やつどき)」と呼んでいました。江戸時代、八刻は食事と食事の間の空腹感を抑える軽食をとる時間とされていたようで、八刻のちょうど間の午後3時が「おやつの時間」と考えられるようになりました。
江戸時代より前の日本の食事は朝夕の2食で、大人が畑仕事の間に間食として団子や芋、入り米などを食べることで腹ごしらえをする習慣が存在していました。時は流れ、砂糖が手に入りやすくなり、間食の時間が次第にお菓子を食べる時間へと変化したのです。
現代ではおやつの時間=お菓子やお茶を楽しむ時間という認識ですが、当時は食事をする時間として考えられていたのですね!
□3時のおやつは日本だけ?
3時のおやつの感覚、これは日本だけなのでしょうか。フランスではおやつの時間を「カトゥルール(フランス語で4時という意味)」と呼び、昼食や夕食の時間が遅いため午後4時に食べるようです。軽い食事としての認識で、お菓子やお茶を口にするのは日本の文化とさほど変わりません。スペインなどの南米諸国ではおやつの時間を「メリエンダ(スペイン語でおやつという意味)」と呼び、おやつと言っても南米諸国の食事は1日4回以上のため、午後5~7時に取る間食のことを指します。また、中国では時間に限らず乾燥した気候の関係でお茶をよく飲むことや古くから食べられている点心が日常化していることから決まった時間におやつを食べる習慣がないのだそうです。
挙げたのはほんの一部ですが、日本と全く同じ文化の国はないことが分かります。普段何気なく生活していると気が付かない、このような文化の違いを知ることができると面白いですね!
もちろん、時間に限らず好きな時に食べるのがおやつの楽しみです。ぜひおやつに如水庵のお菓子をお楽しみください。