和菓子と聞いて皆さまイメージされることも多い華やかな上生菓子(じょうなまがし)「煉切(ねりきり)」。
季節を感じる植物や風景など、自然のモチーフや、最近ではかわいい動物やキャラクターのものまで幅広くあります。
細かいところまで表現できる「ねりきり」ですが、何でできているのでしょうか?
■煉切の素材
煉切は白あんを硬めに煉り、求肥を加えて煉り上げたものです。
山芋を加えて練り上げる薯蕷(じょうよ)煉切もあります。
(よく似たものに「こなし」がありますが、こなしは主に餡に小麦粉を混ぜて蒸したものです。)
煉切はこなしより柔らかいため細工がしやすく、発色もよいため使われることが多いようです。
煉切は鮮やかな色を出すために主に白あんで作られますが、勿論小豆あんでも作られています。
そして、この煉切で作られる上生菓子はそれぞれに伝統的なモチーフがあります。
全国的にも定番のデザインがありますが、基本的にデザインの決まりはありませんので自由です。職人さんのセンスでデザインが決まります。
9月9日の重陽の節句をイメージした「着せ綿(きせわた)」などは定番のデザインをよく見かける印象です。
ここ最近ですと「アマビエ上生菓子」は全国的にもかわいい形からシックなものまでたくさんのデザインを見かけました。職人さんのセンスが光ります。
如水庵の煉切製の上生菓子は今も職人が一つひとつ手作りしております。
お菓子は五感の芸術。
味だけでなく、見た目や香り、舌触り、お菓子の名称…様々な角度から楽しんでいただけると幸いです。