本年はコロナも落ち着き、和菓子教室を行うことができました。
ご参加くださった皆様ありがとうございました。
その際使われた道具や、現在如水庵で上生菓子を作るときに使われる道具を数点ご紹介いたします。
■三角ベラ
三角柱形の木製の棒。煉切(ねりきり)で花を形作るときなどに用いる。三角柱のそれぞれの辺で細い線、太い線、二重線をつけることができます。
■千筋板(せんすじいた)
細い線を一面に平行に彫り込んだ板に煉切を乗せて形をつけることができる。流水などの表現に使われることが多い。
■焼きごて
おまんじゅうやどら焼などに焼き印をつけるときに用いる。
如水庵では主に鉄製のものを使用しており、しっかりと熱した焼きごてでひとつ一つ焼き印をつけていきます。鉄製の焼きごては錆やすいため、しっかりと乾かして保管します。
■きんとんふるい
(そぼろ通しやきんとん通し、そぼろこし、きんとんこし…など様々な呼び名があります。)
きんとんあんをそぼろ状に押し出すときに用いる。ステンレス製や木製のものがあり、網の目の大きさも様々。網の上にあんを置いて、手のひらで一気に押し出します。
またきんとんを作る際使用する箸は、職人ひとり一人オリジナルの細さに調整して使用しているようです。
■木型
植物などが彫刻された木型。対になった木型を重ねあわせ、中に煉切を押しこみ、様々なモチーフを型どります。日本にはこの木型職人はもう数人ほどしかいないといわれており、如水庵では貴重な木型を今も手入れを続け、大切に使っています。(職人曰く、如水庵で使用している木型はサクラの木でつくられたものが多いようです。サクラの木でできた木型は硬く、木の歪みがほとんどないとのこと。)
如水庵の上生菓子は今も職人が一つひとつ手作りしております。
お菓子は五感の芸術。味だけでなく、見た目や香り、舌触り、お菓子の名称…様々な角度から楽しんでいただけると幸いです。