『平成』から『令和』へ。
新元号『令和』は日本最古の歌集『万葉集』の梅の歌 三十二首の序文から引用されました。
初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす (フリガナ:しょしゅんのれいげつにして きよくかぜやわらぎ うめはきょうぜんのこをひらき らんははいごのこうをかおらす)
時は天平 2 年(730 年)の正月、場所は太宰府の大伴旅人の邸宅。 新年の宴にて、招かれた32 人の客がそれぞれ 梅を歌に詠みました。
その 32 首と序文が、万葉集巻五に記されています。
『令和』の基となった上記の序文は、大伴旅人が書いたもので、その舞台となったのは太宰府でありました。
1977 年 4 月に「万葉の詩がきこえる…」という枕ことばで発売させて頂きました 「筑紫もち」。 万葉集4516首のうち596首が詠まれた、この美しき筑紫の国。この万葉びとのおおらかさ、素朴さをお菓子に託しました。
太宰府の大伴旅人邸で詠まれた 32 首のうちの 2 首に、私どもは万葉びとのおおらかさ、 素朴さを感じ、筑紫もちの包装紙に使わせていただいております。
萬代に年は来経とも梅の花 絶ゆるこのなく咲き渡るべし 筑前介佐氏子首 (フリガナ:よろずよに としはきふとも うめのはな たゆることなく さきわたるべし/つくしのみちのくちのすけさじこびと)
梅の花今盛りなり思うどち挿頭にしてな今盛りなり 筑後守葛井大夫 (フリガナ:うめのはな いまさかりなりおもうどち かざしにしてな いまさかりなり/つくしのみちのしりのかみふぢいのたいふ)
新しい元号『令和』が、寒空の中はじめに春を告げる梅の花のように、 明日への希望を咲かせる時代となりますように。
私どもはお菓子づくりをとおして、新しき「令和」の時代も、この美しきふるさとを宣揚してまいります。
これからも如水庵をご愛顧頂きますよう何卒宜しくお願い致します。
筑紫菓匠 如水庵 代表 森 恍次郎