願いをかけて心を込める。
おいしい和菓子は
作り手が心地よく
集中できる環境から
素材が同じだとしても、つくり手の気持ちが入った和菓子とそうでないものは出来がまったく違うんです。だからこそ、私は製造部長として現場の人たちが快適で心地良く、なめらかに仕事ができるように環境を整えています。繁忙期に業務が集中して煩雑にならないように、かつ店舗で品切れが起きないように生産計画を立てて現場の地ならしをするのが役目ですね。今は現場を離れてマネジメントする立場ではありますが、忙しいときは現場に入って手伝うことが少なくありません。まあ、製造現場が好きっていうのもあるんですけどね(笑)
いつも思い描く
おいしいの笑顔が
私の心をつくる
製造の現場に入るときはいつもお客さまが「おいしい」と笑っている顔を思い描いています。自分がつくったお菓子がお客さまのところに届き、笑顔をつくっている。そんな光景を思い描くとすごく楽しいんですよね。製造過程の中には難しい手仕事もあるんですが、集中して気持ちが入っていきます。実際に自分がつくったお菓子が並んでいるのを見て「なんておいしそうなんだ」と思わずにやけてしまうときもあるんです。どんなに良い素材を使っても心が込もってなければおいしくならないんじゃないかなって。ちょっと恥ずかしいんですが(笑)でも、本当にそう思うんです。
和菓子の魅力を
伝える楽しさと
伝わる面白さ
近頃、楽しみにしているのが「和菓子づくり教室」です。古賀市や福岡市など自治体から呼んでいただくこともあれば、大学から講師として招かれることもあります。初めて参加する人にとっては上生菓子など技術が要るものはハードルが高いと思いますが、その難しさも面白さの一つ。毎年、楽しみにしてくれる子どもたちもいます。もともと和菓子が好きな人はもっと好きになってもらって、それまで興味が薄かった人にとっても魅力を発見する機会にしたいですね。若い世代の”和菓子離れ”という話題を聞きますから、この体験を機にファンになってくれたら嬉しいですね。何より、私自身も次の教室がすごく楽しみなんです。